喉を壊さないために気を付けてほしい事
色んなボイトレありますし、自主練などもされている方が多いと思うんですが「これだけはやっちゃいけないよ!」って事がいくつかあるのでご紹介したいと思います。
もくじ
1、息を多くしすぎない
喉の中は粘膜です。粘膜に息(空気)を当て続けているとどうなりますか?
そう、乾きますよね。
粘膜は、ウイルス・花粉・細菌などの異物の侵入を阻止するためのものです。「粘膜免疫」というのですが、乾くとその機能は失われます。
息が多い状態が恒常化してしまうと、異物が入りやすい状態になるわけです。ウイルスが扁桃腺に付着して起こる「扁桃周囲炎」、声帯の少し上にある仮声帯という部分が腫れ上がり発声も呼吸もしにくくなる(痛みがある場合も)「仮声帯肥大」などと言った病気の原因になりますし、ここに付着したウイルス・細菌が体内に入る事で心内膜炎や腎症(腎不全)を引き起こす事もあります。
聞きなじみが無いと思うので、仮声帯の画像貼っておきます。
2、声を張り上げすぎない
声が大きいという事は息の量も比例して増えるという事になりますので、1の話と同じリスクを含むと考えてください。声と息が多い事で仮声帯肥大になりやすくなりますし、これは一度発症すると、発声方法を改善しない限り再発するやっかいな病気です。
さらに声帯に過度な負担を掛けるため、「声帯結節」などの病気になる可能性もあります。
聞きなじみが無いと思うので解説しますと、「結節」とは声帯の両サイドにぺんたこみたいな硬いコブが出来る状態です。
通常、声帯はヒダが柔らかいからピッタリ閉じて、ちゃんと震えて声が出ますよね?その一部分が硬いわけですから、閉じたつもりでもそこだけ浮いたり(かすれ声)、変な震え方をするので声自体も聴き苦しい感じになる事も。人によっては痛みもあります。
自分もかなり痛かったです・・・。
3、喉に無理な力を入れない
高音を出す際などに喉締め上げたり力を使って発声する人が見受けられます。
喉は呼吸器官でもあるわけですが、そこを狭くなったら呼吸しにくくなっていきますよね。
また、喉の中が狭くなるので息が思いっきり内壁に当たりまくる状況になる。すると1の話にリンクしてしまいます。
それにずっと筋肉使って話してると疲れますし、聴いてる側も力の入った声というのは長時間聴くのがつらい声です。
ほぼ地声と同じくらいの感覚で、筋肉使わずに出すのが理想的かつ健康的という事になります。
4、無理な低音、高音を出さない
声帯に大きすぎる負荷を掛けないという事です。共鳴位置を変えたり、いろんな技術を使って高低を作るのは全然いいんですが喉の力だけでやるっていうのはかなり負担が掛かります。3番で言った喉絞める事に繋がりますし、声帯関連の病気になります。
いずれ記事にしますが、声の高低は響かせる場所によって変わります。低い声だったら首の真ん中より下、高い声なら鼻や喉ちんこや口先を響かせるといった具合に。
こういった技術が無いのであれば、高低をいじる練習するよりも他の練習した方がいいです。
響く場所を変える事を覚えてからやればいい話なので。
5、まとめ
いかがだったでしょうか?意外と守れていないものがすると思います。
「カワボ」「イケボ」を出すよりも、健康が第一優先です。
体が健康で無ければ何もできません。女声関連の動画だと今回の記事で触れたことを推奨してるものもあったりするので、健康被害がかなり心配です。
「自分はこのやり方でやってるけど、喉なんか壊してないし大丈夫でしょ」
というのをたまに見かけますが、「たまたま」なってないだけで、自分はまだしもそれを流布するのはおかしいなと思います。
例えば、煙草を毎日3箱吸っても確率な訳ですから全員が肺ガンになりません。だからと言って「俺はこんなに毎回吸ってるけどガンならないから、同じ事を他の人がやっても大丈夫だ!」というのは間違いです。それと同じレベルの話だと思います。
健康被害を避けるためにも自分の体と相談しながらムリなく練習はしてほしいです。歌のボイトレも女声練習も演技の練習問わず、全部「健康第一」でやりましょうね。